会社設立にかかる費用とは?

会社を運営していくためには、設立時の費用・維持費がかかります。会社を設立するとなると何かとお金がかかるので、あらかじめ費用の相場を知っておくことが大切です。

そこで今回は、会社を設立した場合にかかる費用について解説します。

 

・株式会社にかかる費用

1-1.設立費用

会社を設立する場合、「株式会社」か「合同会社」のどちらかを選ぶのが一般的です。株式会社を設立するなら、手続きに実費だけでも約22~24万円の費用がかかります。

金額の内訳は、収入印紙代(4万円※)、定款の認証手数料(3~5万円)、謄本の発行手数料(約2千円)、登録免許税(一般的には15万円)です。

ちなみに、合同会社は株式会社よりも手続きが簡素であるため、10万円ほどで設立できます。合同会社の設立については、後ほどご説明します。

 

収入印紙代…電子認証の場合は不要のため、電子認証する場合は4万円の節約となります。

 

1-2.維持費用

会社を運用するためには、設立費用だけでなく維持費も必要になります。以下で具体的にみていきましょう。

 

・税金

法人になると、たとえ経営が赤字でも一定額の税金を納める義務があります。会社の規模が小さくても、最低でも法人住民税(均等割)として約7万円を納税する決まりになっています。また、会社で雇用する従業員が50人を超えたり、別のエリアに支店や営業所を構えたり、1千万円を超える資本金があったりすると、この金額は大きくなるので注意が必要になります。

このように、会社を設立するときは事業に関することだけでなく、節税対策のことも考えてベストな従業員数や資本金額を検討することもポイントの一つです。

 

・会社保険料

法人になると、必ず社会保険に加入しなければいけません。社会保険料は、法人になった瞬間から売上や利益に関わらず、発生する固定費なので注意が必要です。会社が負担する社会保険料の額は、役員や従業員数、役員報酬や給与額によって異なりますが、社員1人に対して会社が負担する社会保険料額の目安は、社員の給料の約15%ほどです。

例えば、30万円の給料を支払っている社員を雇っている場合、会社は約4万5千円の社会保険料を負担することになります。

 

・専門家への報酬

会社を設立をしたあとは、毎年決算書を税務署に提出しなければならず、会計や税務に関する専門的な知識が必要になります。そのため、税務の専門家である税理士に決算作業を任せるのが一般的で、会社に顧問税理士をつける場合も発生します。

その場合、月々の報酬額は顧問税理士によって異なりますが、相場は月額3~5万円ほどとなるため、会社の固定費となってしまいます。

 

・その他の維持費

これまでに説明した以外にも、会社として活動するためには次のような維持費がかかります。

  • 事務所の賃借料
  • 事務所の光熱費
  • 在庫管理費
  • 社員への給与
  • 社員の福利厚生費
  • その他の士業に対する顧問報酬

…etc

会社を設立して経営を維持していくためには、さまざまな内容でお金が必要であることが分かります。

 

合同会社にかかる費用

2-1.合同会社とは?

合同会社とは、会社の所有者と経営者が同一であるタイプの法人です。所有者と経営者が異なる株式会社とは違って、合同会社は執行役や取締役などの役職者は設置されません。また、合同会社では代表者のことを「代表社員」と呼ぶなどの特徴もあります。

合同会社は株式会社と比較して、会社の設立にかかる費用やランニングコストが低いのが魅力です。株式会社と同様に、法人としての節税対策や社債の発行も可能です。合同会社の最大の魅力は、経営の自由度が高く、フットワークの軽い活動ができることでしょう。

 

2-2.設立費用

合同会社の設立にかかるコストは、約10万円です。

金額の内訳は、登録免許税(6万円)、収入印紙代(4万円)、定款の謄本手数料(約2千円)です。株式会社の設立費用は約24万円なので、合同会社は半額以下で設立できます。

会社の形態の違いでこの金額差が出ている要因には、公告義務や重任登記費の有無があります。合同会社は、株式会社と違って公告義務がなく費用が抑えられます。

また、合同会社は、株式会社のように役員の任期に制限がないため、重任登記費(1万円)がかかりません。ちなみに、株式会社の役員の任期は最短で1年間~最長10年間なので、期間が経過するたびに重任登記費を負担することになります。

 

 

〈 まとめ 〉

会社を設立する場合は、ある程度まとまった資金を準備する必要があります。会社の形態によって負担額が大きく異なるので、自社に合った選択をすることがひつようになります。

ただし、お金がかかるのは設立時だけでなく、ランニングコストもかかります。そのため、事業を始めるときは、個人事業主として活動すべきか、会社を設立すべきかをよく検討することが大切です。

 

 

巨群行政書士法人

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