「自筆証書遺言」の要件

自分の最後の願いを託す遺言書。

家族やお世話になった大切な人を守るためにも、遺言書は完璧に書いておきたいですよね。

 

前回、遺言書の種類についてご説明しました。

今回はその中でも「自筆証書遺言」に商店を絞って、遺言書を成立させるために必要な要件をわかりやすくお伝えしようと思います。

 

1.法律上の要件

自筆証書遺言は要件を必ず押さえて書きましょう。 要件を守っていないと、せっかく書いた遺言書が法律的に無効になってしまいます。

自筆証書遺言には大きく分けて「遺言者についての要件」「遺言書についての要件」の2つがあります。

下記にて説明していきます。

 

1-1.遺言者についての要件

①遺言時に15歳以上であること

遺言は15歳以上の人でなければ作成できません。15歳以上であれば、法定代理人の同意がなくても遺言を作れます。14歳以下の人が作成した遺言は無効です。また、親権者が法定代理人として14歳以下の人の遺言を作成することもできません。

 

②遺言時に意思能力があること

遺言時に意思能力があることも「遺言者についての要件」です。遺言を作成した際に、自己の行為の結果を判断できる正常な判断能力がなければ、遺言は無効になります。具体的には、認知症などによって意思能力がないと判断されるケースがあります。

 

1-2.遺言書についての要件

①遺言者本人が自筆で全文を書く(※ 添付の財産目録以外)

遺言者本人が自筆(手書き)で全文を書きましょう。 パソコンで書いたものや録音、録画、家族等による代筆は無効になります。

これは自筆の筆跡により、第三者による不正や偽造を防ぐためのものです。

ただし、法律が改正され、2019年1月13日からは相続財産の全部または一部の目録を添付する場合は、その目録についてはパソコンで作成したものでも良いことになりました。通帳の写しや土地の登記事項証明書を添付することもできます。

 

②作成した日付を正確に自筆で書く

遺言書を作成した日付を「令和元年7月1日」「2019年7月1日」等と正確に書きましょう。

遺言者の死後、複数の遺言書が残っていた場合、内容に相違があれば日付が新しいものが有効になります。

 

③氏名を自筆で書く

戸籍上の氏名をフルネームで正確に書きましょう。

より正確に人物を特定するため、名前の前に住所を入れるのが望ましいでしょう。

 

④印鑑を押す

名前の後に印鑑を押します。

印鑑が不明瞭にならないよう、しっかりと押しましょう。 もし印鑑が消えていたり、印鑑がない場合は遺言書が無効になります。

印鑑は認印でも構いませんが、簡易な印鑑のインクは消えやすい場合があります。 長期間の保存に耐える実印と朱肉にするのがオススメです。

 

⑤訂正には印を押し、欄外にどこを訂正したかを書いて署名する

訂正のやり方にも決まりがあります。それに沿って行いましょう。

 

3.まとめ

今回は遺言書の中でも「自筆証書遺言」について詳しく説明しました。

なにか書き方に困ったことがありましたら、巨群行政書士法人へご連絡ください。