帰化申請とは?
行政書士といえば、日本国内で各種書類の作成や許認可申請の代理の専門家として主に日本人を対象として仕事を行う印象が強いですが、外国人を対象とした国際業務も扱っています。
行政書士が行う国際業務には、在留資格認定交付申請や永住許可申請など様々ありますが、その中でも、最近多くなってきているのが帰化申請業務です。
帰化とは?
「帰化」とは、現在の国籍を放棄または離脱して、他国の国籍を取得することをいいます。
外国人が日本人に帰化するためには、国籍法第5条に記載されている次の要件を満たす必要があります。
- 引き続き5年以上日本に住所を有すること
- 20歳以上で本国法によって行為能力を有すること
- 素行が善良であること(犯罪歴等なく、納税義務を果たしていること等)
- 自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によって生計を営むことができること
- 国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によってその国籍を失うべきこと
- 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと
帰化の種類
帰化は国籍法で3つの種類が規定されていて、申請する人によって要件が変わってきます。
普通帰化
日本で就労している一般の外国人の方が対象です。
外国で生を受けた方が、日本に訪れて日本国籍を取得する場合に当てはまります。
※日本人の配偶者がいる外国人は、普通帰化に当てはまりません。
簡易帰化
日本と特別な関係のある外国人の方が対象です。
例えば、日本人と婚姻関係の外国人や、在日韓国人・朝鮮人と言った日本で生まれた当別永住者の方など、一定の要件を満たしている方は、簡易帰化による申請が可能です。一部の帰化の条件が緩和されるため、普通帰化に比べれば帰化が認められやすいといえます。
大帰化
日本に対して特別の功労がある外国人が対象となる帰化です。対象者は国会の承認を得た後に、帰化がおこなわれることになります。
過去一度も実績はありません。
帰化のメリット
外国の方が日本に帰化した場合、日本人と同じ権利を得ることができます。
そのため、帰化するメリットとしては以下の様なものが挙げられます。
- 選挙権、被選挙権を得ることができる
- 公務員になることができる
- 日本人と同等の社会保障を受けることができる
- 日本人と結婚した場合、同じ戸籍に入れる
- 住宅ローンを始めとする金融機関からの融資が受けやすくなる
- 日本人と結婚する際、手続きが簡単になる
- 日本のパスポートを手に入れることができ、日本と査証免除協定を結んでいる国への渡航が楽になる。
日本で生活をしていきたいと考えている外国人にとって、これらのメリットは大変魅力的に感じるかと思います。
しかし、母国の国籍を失ってしまう、母国へ行く際査証を用意しなければならない可能性があるなどのデメリットも存在するため、帰化申請をおこなう前に、それらのデメリットについてもよく考えた上で、慎重に判断を下すことが大切です。